約 1,039,861 件
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/12816.html
永遠の絆 永続魔法 自分の墓地から「ホープ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は 自分の墓地の「ホープ」と名のついたモンスターの攻撃力の合計分アップする。 そのモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、 攻撃力を1000ポイントダウンする事でもう1度攻撃を行う事ができる。 そのモンスターが相手フィールド上に存在する自分のモンスターを破壊した時、 自分の[[デッキ]]からカードを1枚ドローできる。 ホープ補助 手札増強 永続 能力強化 蘇生 連続攻撃 魔法
https://w.atwiki.jp/hindeclan/pages/22.html
悠久の絆 所属血盟一覧 狩猟団(同盟主) ぴゅあLOVE クレメンティア ThousandKNights ラインブレスト VaporTrail ゾルギア WL友の会 DancingDragoon
https://w.atwiki.jp/trashpanda-araisan/pages/643.html
807 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (エムゾネWW FF32-6Uc2)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 19 25 59.23 ID /MJ40Z9jF アライちゃん鉛筆削り 手足を固定したアライちゃん 口に鉛筆を近づけたら、噛んで木を削るように調教されている 808 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW eff8-o7JS)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 19 36 02.94 ID U7BFXtdy0 芯まで折って使い物にならなそう(小並感) 809 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイW dfba-Ahif)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 19 49 39.07 ID ebosGoCv0 [7/8] むしろアライさんを削る機械のほうがよさそう 810 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ a7ba-nSRQ)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 20 16 28.70 ID ot0/ie1v0 [1/2] アライさんの益獣化に反対する過激派とか居るのだろうか アライちゃんに関する商品を見かけたらとにかく破壊するような 811 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 9292-nSRQ)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 20 52 10.22 ID rJEK+roN0 [4/4] アライちゃんの腕を電動鉛筆削りに突っ込ませたい 812 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ a7ba-nSRQ)[sage] 投稿日:2017/12/19(火) 21 01 33.71 ID ot0/ie1v0 [2/2] アライちゃん鉛筆削りだとおおおお!!! そんな害獣を益獣化する商品なんていらねえ破壊してやる!!! 俺はその辺に居る野良アライちゃんの腕を掴み!! アライちゃん鉛筆削りにつっこんだ!!!!! 「アガガガガガガガガ」ガジガジガジガジガジガジ 腕を突っ込まれ反射的に野良アライちゃんの腕をかじってしまうアラ鉛筆削り!! 俺はさらに腕を喉の奥まで突っ込む、 「おげっげえおぼえええ」ギウウウウウブチンッ 鉛筆削りはあまりの苦しさにアライちゃんの腕を噛みちぎってしまう、 噛みちぎられた腕は完全に気道を塞いでしまっている。 「いちゃいのらあああああああああああ」ジタバタジタバタ 腕を噛みちぎられて大量に血を流すアライちゃん 止血しないと死んでしまう量だ!! だが俺は野良アライちゃんを地面にポイ捨てする!!!!! その後、アライちゃん鉛筆削りは喉に腕をつまらせ窒息死、 野良アライちゃんは片腕欠損からの失血死。 よかったですね。 コバエさんその2 へ戻る
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/628.html
127 :同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] :2007/03/02(金) 00 54 24 ID JAN0JkXr 目の前の展開に付いて行けない。 「ちょっと、お茶淹れてくるよ」 「あたし、やりますよ!」 「お客さんにそんな事させられないよ。座ってて」 「じゃあ、お手伝いします!」 「いや、でも…」 「陽太さん、キッチンどこですかぁ?」 兄さんと好乃が、笑顔で話している。 いいえ、兄さんは来客用の笑顔、本気で笑ってない。満面の笑顔なのは好乃だけ。 兄さんが困ってる。 あ、兄さんの腕に、好乃が自分の腕を絡めた! 大きな胸を押し付けてる! …よかった、兄さん迷惑そうだ。 言いたい事が一杯あるのに、咽喉がひりついて声が出ない。 ぼんやりしていると、好乃が兄さんの腕を引っ張って部屋を出ていってしまった。 しばらくしてお茶の用意をして戻ってきて、訳も解らぬまま三人でお茶を飲んでる。 何だろう、これは? わたしは夢でも、悪夢でも見ているのかな? 兄さんの隣に強引に座った好乃は、じりじり距離を詰めて兄さんにくっつくほど 近付いて、兄さんだけを見て兄さんにだけ話しかけている。 「ええと、伊藤さんが来てくれてるから、ちょっと買い物に行って来ようかな!」 好乃の話しを半ば強引に遮って、兄さんがそう言って立ち上がった。 正直、好乃と二人きりになりたくなかったけど、兄さんの困っている顔を見ていると、 嫌だと言えない。 好乃は兄さんに付いて行くと言うだろうけど、兄さんのためには好乃を引き止めないと。 しかし、 「夏月の事、あたしがちゃーんと見てますから、陽太さんはお買い物行って下さい」 予想外の言葉だった。 笑顔でそう言った好乃の顔を、わたしはぽかんと凝視してしまった。 「伊藤さん、お願いします。じゃあ夏月、ちょっと行ってくるから」 「…う、うん」 「すぐ戻るから」 「陽太さーん、早く戻ってきて下さいね~」 「あ、うん…」 心配げな顔で出て行く兄さんに、何とかぎこちない笑顔を返す事が出来たが、 とても心細くて本当は行って欲しくなかった。 ばたんと玄関のドアが閉まった音が、やけにはっきりと耳に届いて微かに身体が震えた。 眼の端で、好乃が紅茶を飲んでいるのが見える。 カップをソーサーに戻した音が響く。 「ねぇ夏月、協力してくれないかなぁ。 あたしとぉ、陽太さんがぁ、上手くいくように~♪」 128 :同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] :2007/03/02(金) 00 55 08 ID JAN0JkXr 「……っ!」 嫌、嫌、嫌、嫌! 絶対に、嫌っ! 兄さんが誰かと付き合う手助けなんて、わたしには出来ない。絶対無理。 …でも、そんな事、言えない。 協力するって言わなきゃ、協力出来ない理由を聞かれるだろうし、理由なんて それこそ絶対に言えない。 「ねぇぇ、夏月ぃ?」 にたり、と好乃が笑い掛けてくる。 どうしよう… どうしたら… 「勿論、協力してくれるよねぇ? あたし達、ト・モ・ダ・チ、だもんねぇ?」 友達… 友達だったら、協力しないと、変、だよね? でも、でも… 「それともぉ… 夏月にぃ、認められた人じゃないとぉ、だめって事ぉ?」 「違う!」 違う、そうじゃない。認めるとか、認めないとか、そんなんじゃない。 わたしは、わたしは、 わたしは、誰が、兄さんと、付き合うのも、嫌… 「じゃあ、協力ぅ、してくれるよねぇぇ」 にたああ、と好乃が笑う。でも、 「ごめん、好乃… やっぱり無理…」 出来ない。それだけは。 「どぉしてぇ? 何で協力してくれないのぉ? 何で無理なのぉ?」 笑顔のまま、好乃はわたしに詰め寄る。 「えぇと… わたし、そういう事に向いてないって言うか…」 「嘘」 「え?」 「嘘、嘘、嘘、嘘、嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘うそうそうそぉ!」 笑顔で吐き捨てる好乃。 「夏月ったら~♪ 嘘ばっかり~♪」 「本当の事~♪ 言ったら~?」 「アンタがぁ、陽太さんの事ぉ、好き、だってぇぇ!」 笑顔のまま、吐き捨てた好乃の言葉に、わたしは凍りついた。 129 :同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] :2007/03/02(金) 00 56 00 ID JAN0JkXr 「あたしが気付いてないとでも思ったのぉ? あんな顔しておきながらぁ」 あんな顔? 何の事だろう? 「陽太さんに向けるアンタの顔ったらぁ、まるで発情中の雌猫そのものよぉ」 「なっ…!」 何言ってるの? わたしそんな顔してない… 「あらぁ~? アンタ自分で気付いてないワケぇ? あんな顔して陽太さんに擦り寄っていながらぁ、自覚ナシってコトぉ~?」 どんな顔だかわたしには解らないけど、好乃が気付いてしまったのなら、 きっと顔に出してしまっていたんだろう。 わたしが兄さんを好きだという事が。 黙るしかなかった。好乃の言った事は当っていたから。 「反論しないのぉ? じゃぁ、認めるってコトねぇ?」 「アンタがぁ、実の兄をぉ、好きだってコトぉぉ!」 黙るわたし。この場での沈黙は、肯定と同じ意味だとしても、黙るしかない。 わたしが兄さんを好きだという事は、事実なのだから。 「はぁぁぁ… 陽太さんもぉ、可哀相よねぇぇ」 「…可哀相?」 突然、芝居掛かった好乃の台詞に、首を傾げる。 「アンタみたいなぁ! 変態のぉ! 妹がいてぇぇぇ!!」 変態…? 可哀相…? 兄さんが…? わたしが…? 「血の繋がった実の妹が兄の事を好きだなんて、変態じゃなくて何だって言うのよ!? 盛りのついた雌猫なんて例えたけど、猫に失礼よね? 猫もアンタみたいな変態と、一緒にされちゃあねぇぇ!?」 「アハハハハハハハハハハハハッ!! 変態変態変態変態変態! このぉ変態ぃぃ!!!」 狂ったように笑う好乃。 わたしを罵り嘲笑う好乃。 やめてやめてやめて… 耳を塞いでいたらしいわたしの手を、間近に迫っていた好乃が痛いくらい強く掴むと、 引き剥がして、また笑う。 「でもぉ、安心していいわよぉ。そんな事ぉ、どーでもいいからぁ♪」 「陽太さんはぁ、あたしとぉ、付き合うからぁ、 アンタの事なんてぇ、眼中になくなるのよぉぉ♪」 「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハァッ♪」 塞ぐ事も出来ない私の耳に、好乃の言葉が注がれる。 130 :同族元素:回帰日蝕 ◆6PgigpU576 [sage] :2007/03/02(金) 00 56 48 ID JAN0JkXr 「大丈夫ぅ。もしアンタが変態だって陽太さんにバレたりしてもぉ、 あたしが陽太さんの事ぉ、慰めてあげるからぁ!」 「貧相なアンタの身体と違ってぇ、このあたしのぉ、カ・ラ・ダ、でぇぇぇ♪」 もう耳を塞ぐ気も起こらず、いつの間にかへたり込んでいたわたしの前で、 くるくると制服の裾を翻しながら回っている好乃。 「アンタさぁ、陽太さんの事思ってぇ、一人エッチしてるんでしょぉ。 気持ち悪ぅ~い! 本当に変態よねぇぇぇ!」 ぴたりと好乃は回るのを止めると、笑うのも笑顔も止める。 そしてわたしの髪を掴んで、無理矢理顔を上げさせられた。 「ねぇ、アンタ、実の兄に欲情するなんて、汚いと思わない?」 …きた、ない? 汚い? わたし、汚い… 「陽太さんが、汚れるじゃない。穢らわしいッ!!」 汚れる? 兄さんが、汚れる? わたしが、わたしが… がちゃん… 「あ! 陽太さんがぁ、戻ってきたぁ♪」 途端に笑顔になって立ち上がると、好乃は歌う様に叫びながら玄関に駆けていった。 「ただいま、夏月…… 夏月? どうしたの? 夏月!?」 兄さんの声が、する。近いような遠いような。 近い訳ないよね。だってわたしと兄さんは違うもの。 兄さんは、綺麗。わたしは、汚い。 「夏月!? 夏月!?」 だめだよ、兄さん。わたしに触ると、兄さんが汚れちゃう。 「陽太さぁん、夏月なんかほっといてぇ、あたしと…」 「五月蠅いな、お前、帰れ」 好乃の声と東尉君の声だ。東尉君いつ来たのかな? 「前園君には関係ないでしょ?」 「お前が一番関係ない。いいから帰れ!」 「…伊藤さん、帰ってくれない」 あ、好乃が部屋を出ていく… 兄さんと東尉君の声が、段々遠く遠くなっていく… でも、笑い声が、好乃の嗤う声が、ずっと耳の奥で、響いてるよ… -続-
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2138.html
同族殺しの口裂け女 02 ※vs 同族殺しの口裂け女→口裂け女と口裂け女→同族殺し 初遭遇の続き 学校町、繁華街の廃れた一角で。 同族殺しは、黒服の去った先を見つめていた。 どこか憎悪の含んだ、暗い視線。 そんな彼女の身体からは、パチパチと、青い稲妻が身体から時折漏れ出している。 肉の焦げたような臭いが、辺りに充満していた。 軽い前後不覚に陥った彼女は、今の状況をよく把握できてい。 既に精神が崩壊しかけている彼女の脳は、単純な疑問にすら答えてはくれなかった。 しかし、そんな彼女でも、一つだけ分かる事があった。 自分が、あの口裂け女を取りこむ事が出来なかった事。そして、それがあの黒服によって引き起こされた事態だという事。 「黒服…………?」 まだ狂気に取り込まれる前の彼女の記憶に、そんなものがいたような気がする。 同族殺しがまだまともな口裂け女だった頃、彼女が「当たり前に」人間を殺そうとすると邪魔をした「組織」の構成員。 つまりは敵だと、脳内の情報が警告している。 しかし彼女は、その警告に対して注意を払わなかった。 彼女が追うべきは、口裂け女。 その過程で黒服が出てくるのなら、なぎ倒すだけ。 わざわざ黒服を敵と見なした所で、彼女がより高みへ上る事も、その先にある目標へ近づく事もない。 そんな寄り道などする意味はないと、彼女は脳内で判断していた。 そう、標的は口裂け女、ただ一人だけ。 「……うふ、うふふふふふふふふ」 暗く、暗く、同族殺しは笑う。 今まで自分を恐れるだけだった他の奴らとは違う、あの口裂け女を想って。 あの口裂け女は何だか違っていたと、同族殺しは思う。 彼女と出会う前に一人歩いていた時の、どことなく満ち足りた表情。 そして同族殺しを「綺麗」だと言ってくれた時の表情。 死を目前に、一人の人間の名を呟いた時の表情。 どれを取っても、今まで見た事の無いものだった。 きっと、あの口裂け女を取り込めば自分も変わると、そんな幻想すら抱かせるあの女を思い、同族殺しはただただ、笑い続ける。 「うふふ……早く、貴女を私の物にしたい……」 傷ついたあの女を抱えているのだ。 あの黒服はまだ、そう遠くへは行っていないだろう。 同族殺しの足なら、今から走れば恐らく追いつく事が出来る 早くあの口裂け女の元へ走って、殺して、取り込もう。 あの黒服が邪魔をするのなら、今度こそ殺せばいい。 そう思い、同族殺しは一歩、前に踏み出して 「…………あら?」 いつの間にか自分の周囲を囲まれている事に気づいた。 先ほどの黒服と同じ格好をした男、そしてその契約都市伝説が合わせて10人ほど、彼女を取り囲むように立っている。 ――――何故、気付かなかったのか。 そんな事を考える思考力など、彼女に残されてはいない。 分かるのは、「これ」が先ほどの黒服と同じ種類の人間である事、そして「これ」はまた自分を邪魔しに来た事。 「『同族殺しの口裂け女』、大人しく投降しろ。そうすればそちらに危害を加えるつもりはない」 同族殺しのちょうど目の前にいる黒服が、無表情で彼女に伝える。 ――――彼女は、知らない。 何人もの口裂け女を飲み込み、そしてそれを己の内に蓄える彼女が、「組織」の研究員にとってどんなに魅力的に写るのか。 ――――彼女は、知らない。 目の前の黒服たちは、彼女を生け捕りにするためにわざわざ組織された、特別な部隊である事を。 「……また、邪魔をするの?」 知らないが故に、彼女は黒服を睨みつける。 あの口裂け女を連れ去った黒服が増援でも頼んだのだろうと、彼女は思っていた。 とても、面倒くさい。 ハエがたかる様なある種のイライラを、彼女は感じていた。 「我々はH-No.360とは違う。もし我々と共に来るのなら、お前に定期的に口裂け女を与える事も可能だ」 実験の一環として、という言葉を黒服が末尾に付けることはない。 言葉のみを見れば、一面では魅力的な提案。 しかし同族殺しにとって、そんな事はどうでもよかった。 彼女にとって重要なのは、「定期的に口裂け女を与える」という黒服の言葉。 それは別に、彼女に協力の気持ちを起こさせはしなかった。 彼女が思ったのは、ただ一つ。 「与える」事が出来るのなら、すなわち黒服たちが口裂け女を「持っている」という、一つの事実。 「……ねぇ、私にそれ、頂戴?」 くすくすと笑って、同族殺しは黒服に手を差し伸べる。 今感じているこのイライラも、口裂け女を取り込めば何とかなるかもしれない。 そんな事を、彼女は感じていた。 差し伸ばされた手を見て、しかし黒服は無表情に、繰り返す。 「大人しく投降しろ。そうすればそちらに危害を加えるつもりはない」 少し、周囲の輪が狭まっていた。 取り囲んだ黒服も、都市伝説も、無言。 普通の人間なら、そこにある種の異様さを感じていた事だろう。 目の前の黒服を見て、縮まった輪を見て、口裂け女は差し伸ばしていた手を下した。 「……やっぱり、邪魔しに来たのね」 イライラはもう、限界にまで到達していた。 対する黒服は、無表情。 同族殺しについて徹底的に調べ、策を練り、それを行なえるだけの優秀な黒服だけを集めた。 黒服にとって、目の前の口裂け女は既に敵ではない。ただの捕獲対象だ。 保健所に連れ去られる犬のように、町中をうろつく猫のように、牙こそ向けるが、大した事の無い存在。 故に黒服は、目の前の存在を恐れずに続ける。 「大人しく投降しろ。そうすれば――――」 ……しかし、黒服の言葉は途中で途切れた。 黒服の目の前に、影。 アイアンクローの要領で、黒服の顔をその長い指で掴んだ同族殺しの口裂け女が、そこにいた。 ざわり、と周囲にどよめきが走り、その全員が持っていた銃を同族殺しに向かって構えた。 しかし、同族殺しに掴まれ、ふらふらと揺れる同僚を前に、同僚に当たる事を危惧して標準がぶれる。 ……彼の集めた黒服は、結局その程度だったのだろう。 同僚ごと同族殺しを撃つ事の出来ない、まだ人間味のある黒服。 それは、穏健派と呼ばれる派閥が台頭してきた事による、確かな弊害だった。 「あ、がっ……」 その間もめりめりと、黒服の顔に入り込んでいく同族殺しの指。 その痛みに黒服は歯を食いしばり、懐へと手を入れた。 取りだしたのは、近未来的な一丁の光線銃。 本来相手の動きを止めるためのこの銃も、この至近距離で当たれば確実に相手を殺す事が出来るだろう。 それを、震える手で同族殺しへと向ける。 「――――ねぇ、私、きれい?」 しかし、それが射出される事はなかった。 燃え盛る橙色の炎。 同族殺しの尋ねたその一瞬で、黒服は火だるまになっていた。 「ぎゃぁあああああああああああああああっ!?」 無表情だった黒服の絶叫が、辺りに響き渡る。 同族殺しが手を離すと、どさり、という音とともに黒服が崩れ落ちる。 のたうちまわり、絶叫を続ける黒服。 それも次第に弱く、小さくなっていく。 「くそ……っ!」 黒服が同族殺しの手から離れた事で、一人の別の黒服が口裂け女に標準を合わせた。 同時に、周囲の黒服も銃を構える。 生け捕りなどにこだわっている状況ではない。 そう判断し、彼は引き金に指をかけ 「――――え?」 さくり、と何かが黒服の喉に刺さっていた。 彼に見えたのは、目の高さにまで上げ、銃を構えた手を、そしてその先にある喉を貫くような、黒い一閃。 血に濡れ、半ば錆びた鎌が、黒服の喉元を捉えていた。 流れる鮮血を見て、喉から突き出た木の柄を見て 黒服は、とさりと倒れた。 「なっ……黒服っ!?」 その光景を前に、横にいた都市伝説らしき女が黒服の元へとかけよる。 跪き、黒服を抱き寄せようとした、彼女の胸に 一本の日本刀が、突き刺さった。 「…………あ、え?」 何が起こったのかも分からず、ただ彼女の体から力が抜ける。 そのまま折り重なるように、黒服の上へと倒れ込んだ。 「くそっ、何故当たらないっ!?」 周囲を取り囲んでいた一人の黒服が、思わず叫ぶ。 既に同族殺しに向けて、彼らは何度も銃を撃ち込んでいた。 炎に包まれた同僚の一人が倒れた時点から、何度も、何度も。 しかし四方から放たれたそれは、同族殺しを捉えるどころか完全に見切られ、なおかつ仲間二人がさらに倒されてしまっていた。 つまり、三人。 この一分にも満たない時間で、二人の黒服と一人の都市伝説が、その命を落としていた。 「報告と違うじゃないかっ!」 また別の黒服が、銃を撃ちながら叫ぶ。 彼らに与えられた報告書では、この「同族殺し」は光線銃を避ける事は不可能となっていた。 それを避けるだけの速さが同族殺しにはないと、そう判断されていたのだ。 しかし、蓋を開けてみれば銃は避けられ、味方は殺されるという凄惨な結果。 「うふ、うふふふふ……」 笑いながら光線を避け、手に持った凶器を投げては命を狩る同族殺し。 彼らは、失念していた。 この町は都市伝説の宝庫であり、もちろん口裂け女も大量に存在する事を。 彼らは、知らなかった。 既に同族殺しがこの地で10人以上の口裂け女を殺し、飲み込んでいる事を。 同族殺しは、この町へ来る前と比べて格段に速く、そして強くなっていた。 「このままじゃ埒が明かないっ! 一旦退くぞっ!」 そして彼らは、運も悪かった。 同族殺しは今、口裂け女を取り逃した事で苛立っていた。 同族殺しは今、口裂け女を逃がした黒服にも少しだけ、苛立っていた。 いつもならこのまま退く彼らを見逃す同族殺しも、今だけは別。 「ねぇ――――」 同族殺しは、彼らを逃すつもりなど、ない。 「――――私、きれい?」 ********************************************* 「――――次のニュースです。 本日正午過ぎ、学校町南区で大規模な停電、またその数分後に大きな爆発がありました。 幸い現場付近は無人で死傷者はおらず、警察はガス漏れが原因とみて捜査を進めています。 では、次のニュースです――――」 【終】 前ページ 表紙に戻る 次ページ
https://w.atwiki.jp/sinkyara/pages/81.html
【作品名】ヴァン・ヘルシング 【ジャンル】映画 【名前】ヴラディスラウス・ドラクリア 【属性】吸血鬼 【大きさ】リチャード・ロクスバーグ(演じてる俳優)並み 【攻撃力】・火の燃え盛る暖炉の中に重量数百㎏はありそうな金属製の大きな器具と一緒に叩き込まれても 身体が焼かれながらも寝転んだ状態で大きな器具を20mくらいは吹っ飛ばして立ち上がる ・牛一頭(600㎏くらい)を軽々と持ち上げて木製の壁に叩きつけて破壊したり 常人を容易く殺せたり、アナ王女(鍛えた女戦士)を数m殴り飛ばせる 同族の吸血鬼と同程度かそれ以上の怪力 ・翼長4.5m、体長3m以上の蝙蝠の怪物に変身したら 鉄製の折を飴みたいにへし曲げたり叩き折ったり 石壁を爪で抉り取ったり出来る攻撃力の人狼と殴りあえる 【防御力】・火に包まれて皮膚や肉が炭化する程の大火傷しても数秒で完全に元に戻る 剣や銀の杭やボウガンで心臓や身体を刺されても引っこ抜いた時には傷も塞がっている ・鉄の柵を瞬時に溶かす薬液をかけられたら 皮膚が爛れる程度のダメージを負ったが数秒で元に戻った 同族の吸血鬼と同程度の回復力はある ・肉体の強度は木製の家屋の壁が壊れる程の勢いで叩きつけられても ノーダメで平然としていたりする同族の吸血鬼と同程度 【素早さ】この映画に出てくる吸血鬼は武術の達人から見てもワープしてるとしか思えない動きをする ・アナ王女が同じ室内に居る吸血鬼から逃げようとドアを開けたら 既に吸血鬼は部屋の外に先回りしている ・コンマ1秒くらいで数m移動するので秒速数十mの速度で動ける事になる ・不意打ちでもしないかぎり武装した達人でも攻撃を当てる事は困難 【特殊能力】・耳が異常に良く、10m以上離れた場所から人間の心音を聞ける程 ・催眠術で人間を魅了する ・蝙蝠の怪物に変身して空を飛ぶ。飛行速度は鳥よりも遥かに速い 【長所】・アナ王女曰く聖水も効かない ・金属製の十字架を睨んで唸り声を上げたら十字架が燃えて溶けた ・吸血鬼らしい弱点は克服している為 作中ではドラクリアを殺す手段は人狼が噛み殺す以外無いという扱いだった 【短所】油断癖がある 【備考】スティーブン・ソマーズの映画に登場した吸血鬼 【戦法】高速移動で攻撃。飛べない相手は抱えて飛んで高所から落とすとかする 参戦:vol.1 156 :格無しさん:2012/01/20(金) 19 43 52.49 ID 46Q1F1ra 139 催眠術の射程は? 同族の吸血鬼を流用してる根拠は? 148 霧になった時の大きさは?
https://w.atwiki.jp/devilsurvivor/pages/17.html
自動効果スキル 名前 属性 効果 MUST 盟主の精神 毒追加 マヒ追加 石化追加 封技追加 吸収追加 一分の活泉 三分の活泉 五分の活泉 一分の魔脈 三分の魔脈 五分の魔脈 英霊の加護 戦神の加護 会心激化 双手 エクスティール エクスガード 貫通 反撃 猛反撃 超反撃 二身の残影 エクストラワン 物理鋭化 物理強化 物理激化 火炎強化 火炎激化 氷結強化 氷結激化 電撃強化 電撃激化 衝撃強化 衝撃激化 グリモア 同族の心得・攻 同族の心得・防 至高の魔銃 耐物理 耐火炎 耐氷結 耐電撃 耐衝撃 耐魔力 全門耐性 真・全門耐性 物理無効 火炎無効 氷結無効 電撃無効 衝撃無効 魔力無効 物理吸収 火炎吸収 氷結吸収 電撃吸収 衝撃吸収 物理反射 火炎反射 氷結反射 電撃反射 衝撃反射 耐状態異常 耐万能 食いしばり みかわし 見覚えの成長 見覚えの急成長 もうかりマッカ 勝利の息吹 勝利の美酒 勝利のチャクラ 勝利の雄叫び
https://w.atwiki.jp/kuroneko_2ch/pages/121.html
「話が、あるんだ」 とある日、私は京介に、近所の人気の無い小さな公園へと連れ出された。 そして、そこで突然切り出された言葉。 京介の切羽詰った様子から、その『話』が、どれだけ深刻であるかが否応無く伝わってくる。 「……何かしら」 「…………俺なりに、ずっと考えてきたんだ。自分の気持ちを。『目先の答え』じゃない、『最後の答え』を」 耳に入ってきたその言葉で、一瞬のうちに私の動悸は跳ね上がった。 ――『何のことに対する答えなのか』 そんなものは、考えるまでもなかったから。 ……金縛りにあったように身体が硬直し、厭な汗が全身に噴出してくる。 思考が混濁し、視界が闇に閉ざされるかのような感覚を、下唇を噛んで必死に耐える。 ――『これは、聞いてはいけない』 いつかのように、私の無意識が、私に警鐘を鳴らしていた。 「ま、待って。……お願いだから、それ以上は言わないで頂戴」 足りない酸素を振り絞って、擦れた声で懇願する。 「……頼むから、聞いてくれ。そうしなきゃ、俺たちはこれ以上前に進めない」 「……っ……聞かないと言っているでしょう……っ」 耳を塞ぎたい。この場から逃げ出したい。 しかし、私の意に反し、この現世の虚弱な体躯は一向に動いてはくれない。 駄目、どうにかして、止めさせないと―― 「……っく……、どうしても話すというなら、私はこの場で死ぬわよ……っ?」 追い詰められた私は、いつかと同じ台詞を口にする。 我ながら、酷い脅し文句だとは思うけれど――実際に死にそうなくらいの負担が、今の私の心と身体に襲い掛かっている。 京介が言おうとしている『答え』を聞くことは、この体にとっては“死の宣告”と同じ。 だからこれは、脅しであっても“嘘ではない”のだ。 だが、一方の京介は、以前のように身じろぎはしなかった。 『そうくるだろうと思っていた』とでも言うように、その佇まいは落ち着き払っている。 そして、既に用意していたであろう覚悟を私に突きつけた。 「――お前が死ぬなら、俺も死ぬ」 「っ!?」 その口調も、表情も、怖いくらい完全に本気だった。 「……なっ、何を言っているの……」 「お前が死んだら俺も死ぬ! そんで来世まで追いかけて、そこでまたお前を捕まえて話をする! そこでも死ぬっていうならそのまた来世だ! 何処までだって追いかけてやるってんだよっ! お前が何をしようが、俺はもう絶対逃げないからな!!」 一気に熱を帯びたその言葉。 来世という逃げ場すら、私から奪い去ってしまう。 ……こうなってしまった京介は、もう誰にも止められない。けれど―― 「……む、無茶を言わないで頂戴。それに……万が一あなたが死んだりしたら、桐乃はどうなるのよ」 「分からん。――いや、分かる、か。あいつと俺は同じだから。……あいつも死ぬさ。若しくは、“死んだも同然の状態になる”。全ては、お前次第だ」 駄目ね、これは。 ――これはもう、逃げられない。 「…………酷い脅迫もあったものだわ。自分の命ばかりか、妹の命まで人質に取るなんて」 「お互い様だろ」 「……ふん、まあいいわ。……聞くだけは聞いてあげるから、言って御覧なさい」 ……そう、ただ聞くだけ。聞くだけよ。 残念だけれど、京介の決断には意味などない。 『どちらを選んだとしても、既に私の答えは決まっている』のだから。 服の裾をぎゅっと掴み、京介の答えを待つ。 その時間は、刹那だったか、悠久だったか。よく分からない。 そうして、京介が口に出した『答え』は―― 「黒猫。俺と――――結婚してくれ」 「──────!?!?」 ――完全に、予想外の不意打ち。 いえ、勿論『どちらを選ぶか』という点については予想はしてしていたわよ? でも、何かいろいろすっ飛ばした表現が、今の台詞には含まれていた気がするわ……っ? 「あ、ああ、あなたという人は……っ」 その動揺は、ゆっくりと憤怒の感情に変わっていく。 何をするにも、順序というものがあるでしょう。 だから私は、私の『理想の世界』の為に“儀式”を積み重ねてきたのだから。 今の京介の言葉は、京介にそのつもりが無くても、私の今までの行為を否定するもののように思えてしまったのだ。 「斜め上にも程があるわっ、最早狂気の沙汰としか思えないわね……っ。ふん、真面目に聞いた私が莫迦だった……わ……」 言葉尻が途切れる。 何故なら、私の“氷の視線《コキュートス》”で睨み付けた京介の表情が、私の罵倒にも一片も曇らず、真剣そのもの……だったから。 「…………本気、なの? 京介」 「ああ、本気だ」 それは、揺るがぬ意思。 ……いいでしょう。どの道、言葉の意味なんてどうでもいいこと。 もっと大切なことは、他にあるのだから。 京介がその気なら、こちらもそれを確認させて貰うだけのことよ。 「……そう。……それで? “桐乃はどうするの”?」 「どうもしない。今まで通りだ」 返された言葉に、私は心底落胆した。 失望と、呆れと、苛立ちと、怒りとが入り混じって私の心を闇へと堕としていく。 「――話にならないわね。さっきのことは聞かなかったことにしてあげるから、金輪際あんな妄言を吐かないで頂戴」 踵を返し、その場を立ち去ろうとする私に、背後から投げ掛けられる声。 「待てよ。まだ話は終わってない」 「聞く価値もないわ」 「ああ、そうかもしれねえ。これから俺が言うことは、酷く自分勝手で、矛盾だらけの、俺自身の『理想の世界』の話だ」 『理想の世界』……その言葉に、私は踏み出した歩みを止めて、肩越しに京介を一瞥する。 「……お前の目指す『それ』とは違うのかもしれねえ。お前を……もしかしたら傷付けることになるかもしれない。 お前にとっては本当に無価値なものかもしれない。それでも……ずっと考えて出した、俺自身の『答え』なんだ」 ……こんな、酷く切迫した様子の京介を、私は見たことがなかった。 いつも迷ってばかりで、へたれで、愚図で……その癖に妙に優しい人。 そんな優しい京介が、私を傷付けるかもしれないと言う。先程の言葉とは裏腹で、既に矛盾している。 あの言葉は、『私を選んだ』という意味ではない……ということなのだろうか。 私は京介に向き直り、その顔を正面に見据え、両手をスカートの前に組んで立つ。 私の“聞く意思”を感じ取ったのか、先輩はゆっくりとその決意の内を紡ぎだした。 「あれからずっと、考えてた。俺にとって『一番大切な気持ち』っていうのが何なのか。 “お前”を大切に想う気持ちなのか、妹を……いや“桐乃”を大切に想う気持ちなのか」 もう、京介の中には歪んだ硝子は無く――こうして桐乃への感情も素直に受け止められるようになっていた。 「でも、いくら考えても分からなかった。情けないけどな……俺にはどうやっても比べられなかった。 その気持ちはとてもよく似ているようで、でも全然違うものなんだよ。お前と桐乃が、違うように」 私と桐乃は、何もかもが正反対のようでいて、内面は実のところよく似ている……と、思うときがある。 桐乃は私の、私は桐乃の考えていることが、何となく分かってしまうから。 でも、京介はそんな私たちのことを、どちらかにどちらかを重ねることなく、ちゃんと一人一人の存在として見てくれている。 それが少し……嬉しかった。 「お前は桐乃じゃないし、桐乃もお前じゃない。当たり前のことだけどな。 俺の気持ちも同じだ。お前を想う気持ちも、桐乃を想う気持ちも、全然別のものだ。どっちも欠かせない、代わりにもならないものなんだ。 ――――だったら、そんなの比べられるわけねえだろうが! 大小も優劣もない、どっちも俺には大切で、大事で、必要なものなんだよ! へたれと言われようが、優柔不断と言われようが、俺にどっちかを選ぶなんてことは出来るわけねえんだよッ! くそぉぉ────!!」 京介の絶叫に、私は言葉を挟むことはおろか、瞬き一つさえ奪い去られてしまう。 「――それからまた考えたさ。じゃあどうすりゃいいのか。このまま『目先の答え』をずるずる引き摺って生きていくしかないのか? ずっと悩んで、考えて……でも、あるとき気付いた。――答えは、ずっと前にお前らが教えてくれてた、って事に」 ……私と、桐乃が……? 「どっちを選んでも後悔するなら、どっちも諦められないなら、足掻いて、欲張って、全力で『どっちも手に入れる』しかねえだろうが! お前を大切に想う俺の気持ち、桐乃を大切に想う俺の気持ち、どっちも俺の大切な気持ちだ! 俺はどっちも大事にする。絶対だ! 誰が何と言おうが関係ねえ、俺の気持ちだ、俺が俺の気持ちを守って何が悪い!!」 京介のその心の叫びは、雷霆となって私を打ち貫いた。 正直、本当に心臓が止まるかと思ったくらい――。 それからどれだけの時間がかかっただろう。 私がようやく言葉を発することが出来るようになったのは。 「……よ、よ……よくもそんな恥ずかしい絶叫が出来るわね。……熱くなると暴走するのはあなたたち兄妹、本当にそっくりだわ」 「うぐっ……す、すまん」 京介も少し落ち着いたのか、いつものちょっとへたれた返事をする。 「とりあえず……京介の気持ちは分かったわ。……でも、それなら何故最初の発言になるのよ。私を選んだ、というわけではないのでしょう」 私も冷静さを取り戻し、先程の言葉に対する当然の疑問を投げ掛けた。 「桐乃は俺の妹だ」 「………………はい?」 その返答は、何の脈絡も無い言葉のように聞こえた。 時々、京介に私の言語が通じていないのかと思うときがあるけれど……、まだまだ同じ世界観を共有できていない、ということかしらね。 でも、それに続く言葉は、そんな生易しい幻想を一瞬で打ち消してしまう。 「じゃあ、お前は俺の何だ? もう恋人でもない、後輩でもない……ただの友達か?」 「……っ……、……それは……」 答えられなかった。 後輩だった私がいて、恋人だった私がいて……、それなら今の私は、何なのだろう。 ただの友達……いいえ、違うわね……『大切な』友達……? それも違う気がする。 今まで考えたこともなかった……いえ、“努めて考えないようにしていた”ことだった。 でも、そんなことは―― 「分かってるよ、肩書きなんて大した意味は無いってことは。 でもな、さっきも言ったけど、俺はお前も、桐乃も、どっちも大切なんだよ。ずっと一緒に居たいんだ。 それこそ、永遠に、来世までも」 京介はまた“来世”という言葉を口にする。それはきっと、京介にとって最上級の決意を表す形容詞なのだろう。 ……ふん、一体、誰の影響かしらね。 「でも俺は不器用で、情けなくて、意気地なしで……またある日、お前が突然居なくなったりするような気がして。 そんなこと、もう絶対にないって分かってるつもりなのにな」 ずきっ、と、私の心の古傷が痛む。 確かに、もう二度とあんな真似はしないと誓ったけれど……過去に付いた深い傷は易々と消せるものではない。 私だけではなく、京介も、そしてきっと桐乃も……未だに心の奥にその傷を煩っているのだ。 「俺は“証”が欲しいんだよ。お前と繋がっているって思える、確かな“絆”が欲しいんだよ。 そしてそれは、俺と桐乃の血縁の絆と同等の、何より強くて決して切れない絆じゃなきゃ駄目なんだ――」 京介のいう“絆”は、きっと“呪い”。 「だから、黒猫。……いや、瑠璃。……俺と、桐乃と――――『家族』に、なってくれ」 そしてこれが、京介の“願い”。 京介の、『理想の世界』へ至る為の“儀式”。 “私と一緒になる”ではなく、“京介と桐乃と『家族』になる”という真意。 それが、あの言葉に秘められた、京介の導き出した『最後の答え』だったのだ。 「…………京介の『答え』の意味は、分かったわ。……ありがとう。とても……嬉しい」 真っ直ぐに私を見詰め、返事を待つ京介に、私は精一杯優しくそう言った。 本当に嬉しかった。こんな私を『家族に迎える』と言ってくれる人がいることが。 そしてそれが、私の最愛の人であることが。 でも、それでも、私は―― 「でも……返事は出来ないわ。私には出来ない……。桐乃が、それを望んでいないかもしれないから……」 確かに、これは“私を選んだ”という結果ではなく、寧ろ今以上に“私と桐乃を同等にする”という真意がある。 でも、真意がどうあれ、京介に『伴侶』が出来るという事実に、桐乃は納得できるだろうか。 『恋人』とはその立場も、意味合いも、比べ物に―― 「――あたしが何だって?」 不意にその場に響く第三者の声。 聞きなれたその声に振り返ると、そこに居たのは。 「き、桐乃……っ」 腕組みをした桐乃が私たち二人を見据えていた。 その表情は……訝しげなわけではなく、怒っているという感じでもなく……よく、分からない。 「……お前……俺たちの話、聞いてたのか……?」 「あんた声でかすぎだっての。んで?」 この反応、京介のほうでも桐乃がここに居ることは想定外、ということかしら。 そして、当然のように話の続きを私に急かす桐乃の様子からして、今の話は全部聞いていた……と思ってよさそうね。 こうなれば最早、私は現れた“裁決者《ジャッジメント》”に対して、覚悟を決めるしかなかった。 「……聞いていたなら話は分かっているでしょう。……あなたは、どう思っているの……?」 投げ掛けたその問いに下される審判は、糾弾か、拒絶か。 何を言われても、甘受するしかないわね―― 「てかさ、黒猫あんた、今のプロポーズ酷いと思わないの?」 「……は?」 「『俺はどっちも好きだ、でも妹とは結婚出来ないからお前と結婚する!』って言われてんだよ? 人間として最低だよね?」 全く予想外の判決だった。……本当にこの兄妹は、時として私の想像の斜め上を行くわね。 とりあえず、ええと……これは私というより、京介が責められている……のかしら? というか、物凄く曲解されているように思うのだけれど……。 「んなっ……そういう意味じゃねえ! お前ホントに俺の話聞いてたのか!?」 「怒鳴んないでよ、うっさいなァ。似たようなモンじゃん? っていうかアンタには聞いてないから、ちょっと黙ってて。 ――それで、あんたはそんなんでいいの? “一生付いて回る問題”だよ? どう考えたって、“『普通の幸せ』なんて未来は無い”と思うケド?」 その妙なアクセントの台詞と、私の双眸を捉えて離さない桐乃の真摯な瞳から、私は一瞬でその言葉の真意を理解した。 ――これは、“桐乃自身が探している『最後の答え』”を求めた問い掛けだ。 “兄”と“妹”――この絆の意味と、“京介”と“桐乃”の未来。 “絆”が“枷”になることも、この世界にはあるのだ。 今の私たちは、お互いを鏡に映して見ているようなもの――少なくとも桐乃は、そう見ている。私には、その確信があった。 それならば、私は全身全霊を賭けて答えなければならない。 それで、例え私の『理想の世界』が崩壊するとしても。 私の答えは、桐乃の答えと同等の意味を成すのだから。 “私”が“私”を否定することは出来ても、“私”が“桐乃”を否定することだけは、絶対に出来ないから。 「…………私は、京介のことが好きよ。ずっと前から、ずっと今まで。――それは……桐乃が、京介を好きな気持ちと、変わらないくらい」 「……うん」 「……でも、その気持ちと同じくらい、私はあなたが……桐乃が、好きよ。だから…………私は……っ」 そこで、言葉が詰まる。全身が震え、呼吸は荒く、息も絶え絶えだ。 京介の姿を一瞥し、そしてすぐに桐乃に向き直ると、……私は大きく深呼吸をして――『最後の答え』を言った。 「……私は、これからもずっと、あなたたちと一緒に居たい。一生、永遠に、来世までも。 その為になら……“『普通の幸せ』なんて要らないわ、……私は……『私たちの幸せ』が欲しいの”。 だから……だから、私は…………京介と、桐乃と…………『家族』に、なりたいわ」 「うん……うん、……ちゃんと『自分の』返事、できるじゃん。よく、頑張った」 今までに聞いたこともないような穏やかな声でそう言って、桐乃は私を胸元に抱き寄せる。 そして、慈しむように私の頭をそっと撫でた。 その優しい手のひらと、暖かい体温に、堰を切ったように私の瞳から涙が溢れてくる。 「…………うっ……ぐすっ……っぅ……」 「あんたが泣くなんて……ぐすっ……、初めて見たよ。……ばかじゃん、ここは喜ぶとこだって……ほらっ、ちゃんと元気出せっ……」 私を一層ぎゅっと抱きしめる桐乃。顔を埋めている私からは見えないその表情は、一体どのようなものなのだろうか。 桐乃はそうして、私が泣き止むまで、ずっと優しく頭を撫で続けてくれていた。 ☆ 「――それで、結局『お前は』どうなんだよ、桐乃」 どれだけの時間が過ぎただろう。 私たち二人の様子が一段落したと見て、京介が再び話題を戻す。 ……本当に、雄というのは野暮で粗雑な生き物ね。全く……今のやり取りでどうして伝わらないのかしら。 「はぁ? 何言ってんの?」 それを聞いた桐乃も、心底呆れたような口調で返す。 そして、一瞬視線をこちらに投げた後――真っ赤に剥れて顔を逸らし、不貞腐れるような仕草で言い放った。 「アンタがこれ以上もたもたしてたら――――あたしが瑠璃と結婚してたっつーのッ!!」 ――やや尖らせた口から繰り出されたのは、本日二人目からのプロポーズ。 それは、本当に先を越されて悔しがる子供みたいで。 一人目のそれよりも男気に溢れたその言葉に、私は軽く眩暈を覚え、倒れそうになる。 本当に……この“熾天使”は、どれだけ眩く、私を魅了すれば気が済むのだろう。 ……クッ、この私としたことが、不覚にも…………惚れ直してしまったわ……。 ☆ 「大体さ、あんた、何であたしに先に相談しなかったの?」 帰り道、桐乃が京介に至極尤もな質問を投げ掛けた。 まあ、当然そう思うわよね。桐乃の承諾が先にあれば、京介自身もあれほど悩むことは無かったでしょうに。 「あたしが怒るとでも思ってたの? あたしが『たまたま』あそこに来なかったらどうする気だったの? バカなの? もう死んでいいよ?」 「うるせえなぁ」 矢継ぎ早に畳み掛ける桐乃を一蹴する京介。 桐乃の言う『たまたま』が少し気になるけれど、まあそこは今は言及しないでおいてあげましょう。 暫くして、京介は私と桐乃をそれぞれ一目した後、虚空を仰いで少し感慨に耽るように言った。 「……この事だけは、俺一人で考えて答えを出さないと意味がねえと思ったんだよ。 お陰で毎日毎日ずっと自問自答の繰り返し……まるで『俺が俺自身に人生相談』してる気分だったぜ――」 ☆ ――そして、幾つかの年月が過ぎ。 「おまたせ」 「おう、サンキュ」 「ひゃっほー! やっときたぁ」 既視感にも似た光景が、朝食を載せたトレイを持つ私を出迎える。 「ってか、やっときたぁ、じゃねーよ。今日の朝食は確か桐乃の当番だろ。なんで瑠璃が作ってんだよ」 「今日の夜は瑠璃が実家に行く用事があって遅くなるって言うから、あたしが当番代わったげたの」 「なん……だと……? ……ってことは今日の晩飯もカレーかよ……」 「うっさいなァ。ウチだってお母さん、カレーばっかだったじゃん。イヤなら別に食べなくてもいいケド?」 「そうよ。一応人間が食べられる物質が出来るようになっただけでも奇跡なのだから、神に感謝して食べなさい」 「出来るのはカレーだけ、だけどな」 「ぐぬぬ」 ――『家族』になった私たちのやり取りも、相変わらずのこんな感じ。 変わったようで、何も変わらないようで。でも、一つだけ確かなのは、これからも私たちはずっと変わらないということ。 それが――何とも言えず心地よい。 これは、私の望んだ『理想の世界』なのかしら。それとも、京介の望んだ『理想の世界』なのかしら。 ――いいえ、たぶん違うわね。 『理想の世界』なんていうのは、作り出すものでは無く。 自分と、自分の大切な人たちが、“自分たちを幸せだと感じたとき”、気付けばそこに在るような。 きっと、誰にでも当たり前に存在する世界なのだ。 -END-(家族の絆《エターナル・リンク》)
https://w.atwiki.jp/ara_arcana/pages/49.html
* ネツァク 種族:古代竜 性別:男性 年齢:? 髪の色:緑 瞳の色:緑 肌の色:白 「ソルベちゃん、アレがヤバい」 古代竜の一柱、緑のネツァク。名前と設定だけ公式。 ルディオン山脈北東部に、ひっそりと自らの領域を作りだしている。普段は人間形態を取っており、洞窟の奥にひっそりと居を構えている。古代竜であるためかなりの力を持っており、世界の動きにはユグドラシルを利用しながら、常にアンテナを張り巡らせている。だが、制約により直接的に手を下すことは出来ないため、何者かが助けを求めてきた際には、試練と言う形で課題を出し、それを突破した者に力を貸すことにしている。 上記のように書くとまともに見えるが、その実態は重度の引き籠りニートである。部屋には大量のゴミ袋が置かれており、饐えたようなニオイが満ちている。また、会話に主語はおろか述語を抜かすことも多いため、何を言っているのか解らないことが多い。故に、お世話役であるソルベが通訳する羽目になる。
https://w.atwiki.jp/renst/pages/1376.html
親子の絆 種類:オペレーション カテゴリ:ミスティックアームズ 必要パワー:3 追加条件:なし テキスト: ※常駐 ※タッグ(これは他の自軍常駐と合わせて2枚まで配置でき、太字部分を実行するかわりに、他の自軍常駐の太字部分を実行できる) 自軍ラッシュフェイズごとに1度だけ、『相手は1枚ドローしてから自分自身の手札を1枚選び、自分自身の山札の下に戻す』を実行してもよい。そうしたとき、自分は1枚ドローしてから自分自身の手札を1枚選び、自分自身の山札の下に戻す。 フレーバーテキスト 親から子へ、過去から未来へ。繋ぎ紡いで伝えていこう想いの交響曲(シンフォニー)を。 イラストレーター:黒田 清桐 レアリティ:ノーマル 作品:仮面ライダーキバ 魔界城の王 収録:ザ・マスクドライダーEXP vol.4 自販:パック Q A Q1 敵軍常駐置き場に「RK-253 親子の絆」が配置されています。対戦相手が太字部分の「相手は1枚ドローしてから自分自身の手札を1枚選び、自分自身の山札の下に戻す」の実行を求めてきました。これを拒否することはできますか? A1 いいえ、できません。 カード評価 相手の手札も濃くしてしまう欠点はあるが、自分自身の手札も濃くできるタッグ常駐。キーカードの存在するデッキで擬似圧縮として使える。 同様にデッキ下にカードを送る目的でも使用できる。山札にある状態である必要があるカードを戻すだけでなく、戻したカードを直後に仮面ライダードレイクMFで回収することもできる。 タッグのテキスト置き換えとしても非常に優秀。相手は手札を入れ替えるのみだが、こちらは強力なタッグオペレーションの効果を使える。 クライマックス刑事のテキストと置き換えると、手札1枚でパワーゾーンのカード1枚を確実に回収できるカードとなる。 関連カード 能力に「タッグ」を持つオペレーションカード コメント この効果は相手が実行しなかったら自分も出来ないですよね?その点では安定感に欠けるなぁ。 -- 名無しさん (2011-07-14 13 23 11) ↑効果は強制的に実行です。 -- 名無しさん (2011-07-14 16 24 42) もう少し詳しく書くと、このカードの持ち主は『』を実行するか、しないか選べる。 実行するを選んだら、『』を相手は強制的実行。 -- 名無しさん (2011-07-14 16 28 34) 名前 コメント